第530章 やはり彼を諦められない

臨床医学02クラスの学生たちの夏川清美への好意は、学校全体の彼女に対する悪意を変えることはできなかった。

学校中で彼女に関する噂は依然として続いていた。

見知らぬ人が皆、最大の善意を持って他人を見るわけではない。特にスキャンダルに関わった場合は。

しかし、これらは夏川清美を傷つけることはなく、むしろクラスメートの態度のおかげで、大学生活にとても満足していた。

夏川清美を本当に傷つけることができるのは、彼女が最も大切にしている人だけだった。

夏川清美は以前、誰かと冷戦状態になることがこんなにも辛いものだとは知らなかった。

特に心に棘が刺さっているときは、和解する理由さえ見つからない。

しかし、生活は続けていかなければならない。

あなたが苦しすぎるからといって、立ち止まって調整や修復を待ってくれることはない。

毎朝、夏川清美はいつも通り木村久美に食事を与え、しばらく一緒に遊んでから、朝食を食べに行く。

さらにジムで運動も始めたが、結城陽祐とは話さない。

男性の方も彼女に関心を示す様子はなく、二人は同じ空間で生活しているのに、まったくコミュニケーションを取らず、まるで平行世界に住んでいるかのように、物理的な距離は近いのに何の接点もない。

そのため、雲さんが三日後にようやく異変に気付いた。

「清美ちゃん、陽祐さんと喧嘩したの？」午後、夏川清美が授業から帰ると、赤ちゃんがママを欲しがったので、夏川清美は木村久美を抱いて一緒にダイニングテーブルで食事をし、キッチンに特別にお粥を作ってもらった。雲さんが隣に座って見ていたが、しばらくすると二人に問題があることに気付き、部屋に戻って小声で尋ねた。

夏川清美は雲おばさんを心配させたくなかった。「いいえ、私たちが喧嘩したようには見えませんよね？」

「嘘をつかないで。夕食の時、二人とも一言も話さなかったし、目も合わせなかったでしょう。これって普通？」雲さんは、先日まで二人が24時間くっついていたいような様子を覚えていた。木村久美に母乳を与えるときでさえ、急いでいた。