事態はあまりにも突然で、誰も心の準備ができていなかった。
爆発現場の地下は空洞になっており、いつ崩壊してもおかしくない状態で、下にいる人々の安全が脅かされ、救助活動は非常に困難を極めていた。
しかし、運動会での爆発事件と比べると、会場の大スクリーンに映し出された賭博スキャンダルの方が、より衝撃的だった。
爆発が部分的なパニックを引き起こしただけなら、競技の場を金儲けの道具として露骨に利用することは、国民の底線を完全に踏み越えていた。
上層部も動揺し、警察に厳重な捜査を命じた。
その夜、入賞した全ての選手に薬物検査の再実施が命じられた。
京都は一時、緊張に包まれた。
地下賭博場の出口付近で目撃された結城陽祐は、ニュースのもう一つの焦点となった。
多くのメディアは、正陽様も関与していたのではないかと推測し、それが婚約者の死につながったのではないかと報じた。