第567章 私は久美を連れて清美を探しに行くつもり

結城陽祐はもちろん、二人のお爺さんたちも凍りついたままだった。

次の瞬間、結城陽祐は突然しゃがみ込んで、木村久美を抱きしめた。

「まままま...」パパに抱かれた小さな子は周りの雰囲気を全く感じ取れず、もがきながら結城和也に小さな手を伸ばし、自分のクッキーをほしがっていた。

結城和也は泣くべきか笑うべきか分からず、低い声で「この食いしん坊」と叱った。

叱った後、小さな子が泣き出すのを恐れて、クッキーを木村久美の手に渡した。

ようやくクッキーを手に入れた木村久美ちゃんは、とても嬉しそうに小さな手で握り、自分の口に運んだ。

結城陽祐の感情が落ち着くまでに、結城湊ちゃんはすでに半分のクッキーを食べ終え、結城陽祐の服にはクッキーの粉が散らばっていた。

この無邪気な小さな存在を見て、結城陽祐は先ほどの自分の取り乱しを自覚し、息子の頭を軽く突いて、自分で這わせた。