第581章 清子の結婚式に参加する

夜、立花雅は結城陽祐に木村久美の様子をビデオで見せた。小さな手を振りながら、時には「ママ」と呼び、時には「がーがーがー」と声を上げていた。

結城陽祐は小さな子供の興奮した顔を見ながら、少し腹が立った。まさに「乳があれば母」というわけだ。

いや、乳がなくても母なのだ。

数回会っただけなのに、ママ、ママと呼んでいる。あの日本人女性に一体どんな魅力があるというのか?

「久美は本当にきよこさまのことが大好きなんです」立花雅は今日の久美の様子を説明し終えて、まとめた。

雲さんは夜になってやや良くなり、立花雅の言葉を聞いて頷いた。「良い子だわ。美人で優しくて、佐藤清美と同じような綺麗な髪をしているわ」

「パパ、ママ...抱っこ!」久美は何かを聞いたのか、おしゃぶりを咥えながら、眠そうな目をしながらも、パパとママに抱っこを求めてぐずっていた。

結城陽祐は無奈く首を振りながらも、久美に懐かれ、佐藤清美と同じような豊かな髪を持つその女性に興味は示さなかった。彼らは既に島の半分近くを探索しており、あと二日もあれば島全体の調査が完了するはずだった。

明日にも佐藤清美に会えるかもしれない。そうすれば久美も母親に会える。そうなれば他の女性をママと呼ぶこともなくなるだろう。

息子が他の女性をママと呼ぶことについて、結城陽祐はかなり不満だった。

「陽祐さま、清美は見つかりそうですか?」久美の話が終わると、病気のため離れて座っていた雲さんが、かすれた声で尋ねた。

「既に情報があり、予定通りなら明日には見つかるはずだ」結城陽祐は答えた。

雲さんは即座に喜び、「それは良かった、良かった」

そう言うと感動で目に涙が浮かんでいたが、今日既に佐藤清美と顔を合わせていたことなど全く知らなかった。

結城陽祐も嬉しかった。加藤迅がこの島にいることは確認できており、発見は時間の問題だと考えていた。

ビデオ通話を終えた結城陽祐は、佐藤清美を見つけられる喜びに浸っていたが、息子が既に二日間も佐藤清美の腕の中にいることなど知る由もなかった。

さらに、順調だと思われていた事態が、三日目に行き詰まることになるとは想像もしていなかった。

「いません」

「見つかりません」

「いませんでした...」

何度も確認した後、全員が同じ答えを出した。