第601章 彼らは本当に愛し合っていたのだろうか?

監視カメラの映像はすぐに見つかった。

結城陽祐は厳しい表情で映像の中の小さな存在を見つめていた。夏川清美と雲さんが話している間に、別荘から這い出し、一段一段と階段を這って中庭に出て、さらに隣へと這って行き、花かごを支えて立ち上がった。佐藤清美を探そうとしたのだろうが、ふらふらと花かごに転げ落ち、不注意な作業員によって花車に載せられてしまったのだ。

結婚式場に行ってしまったのか?

結城陽祐は監視カメラの映像を見終わり、眉をひそめた。今日は結婚式場に行きたくなかったのだ。

彼のぽっちゃりくんと加藤迅の幸せな瞬間を目撃する気分なんてなかった!

しかし家には手のかかる者がいた。

「坊ちゃまが若奥様...夏川さんの花車に乗ってしまいましたが、大丈夫でしょうか?」神木彰には気のせいかもしれないが、坊ちゃまが意図的に這い出したように思えた。でなければ、どうしてこんなにも都合よく全員の目を避けることができたのだろう?すぐに首を振った。坊ちゃまはまだ11ヶ月だ。もしそうだとしたら天才すぎる。きっと偶然だろう。

しかし神木彰の言葉を聞いた立花雅は目を真っ赤にして慌てた。「坊ちゃまが落ちた籠にはバラの花が入っていました。坊ちゃまのあんなに柔らかいお肌が傷ついてしまったらどうしましょう。私の不注意です!」

「会場へ行くぞ」結城陽祐はずっと無言で厳しい表情を崩さなかったが、立花雅の言葉を聞いて眉をさらに深くひそめ、突然立ち上がった。

神木彰、立花雅、雲さんたちが慌てて後を追い、他のセキュリティ担当者も遠くから付いて行った。

結婚式はボブの農場で行われることになっていた。農場は広大で、正門から入ると遠回りになり、徒歩で30分以上かかる。しかし別荘を出て柵を越えて直接結婚式場に向かえば10分ほどで着く。

花車が出発してから既に40分近く経っていた。

結城陽祐は礼儀など気にせず、別荘を出るとすぐに柵を越えて農場に入り、芝生を踏みながら結婚式場へと小走りで向かった。

他の者たちも後を追った。神木彰、雲さん、立花雅の三人の他に、警備担当の警備員たちも加わり、大勢で結城陽祐の後を追った。

まだ会場に着かないうちから音楽が聞こえ、結城陽祐の眉間の皺はさらに深くなった。