第601章 彼らは本当に愛し合っていたのだろうか?

監視カメラの映像はすぐに見つかった。

結城陽祐は厳しい表情で映像の中の小さな存在を見つめていた。夏川清美と雲さんが話している間に、別荘から這い出し、一段一段と階段を這って中庭に出て、さらに隣へと這って行き、花かごを支えて立ち上がった。佐藤清美を探そうとしたのだろうが、ふらふらと花かごに転げ落ち、不注意な作業員によって花車に載せられてしまったのだ。

結婚式場に行ってしまったのか?

結城陽祐は監視カメラの映像を見終わり、眉をひそめた。今日は結婚式場に行きたくなかったのだ。

彼のぽっちゃりくんと加藤迅の幸せな瞬間を目撃する気分なんてなかった!

しかし家には手のかかる者がいた。

「坊ちゃまが若奥様...夏川さんの花車に乗ってしまいましたが、大丈夫でしょうか?」神木彰には気のせいかもしれないが、坊ちゃまが意図的に這い出したように思えた。でなければ、どうしてこんなにも都合よく全員の目を避けることができたのだろう?すぐに首を振った。坊ちゃまはまだ11ヶ月だ。もしそうだとしたら天才すぎる。きっと偶然だろう。