夏川清美は二人を無視し、ベッドに横たわり直して「疲れた」と言った。
「神木、お客様をお見送りして」結城陽祐は命じた。
加藤迅は動かず、夏川清美を見つめ、彼女の目から何かを読み取ろうとしたが、清美はすでに目を閉じていた。
そして清美の横に横たわる結城陽祐の存在が、より一層目障りに感じられた。
しかし、結婚式で手放した瞬間から、このような結末は決まっていた。しかも昨日、清美ちゃんは彼を救ってくれたのだ。
「そういえば、今回の爆発は田中家の仕業だろう?」加藤迅が立ち尽くしているとき、結城陽祐が再び口を開いた。
案の定、加藤迅の表情は一層険しくなった。
「これは清美ちゃんを巻き込んだ初めてのことではないはずだ。前回は彼女が死んでしまい、今回も命を落とすところだった。加藤院長は少し反省してみてはどうだろうか?」昨日の清美ちゃんの危機を思い出し、結城陽祐の目は一層鋭くなり、加藤迅は逃げ場を失った。