第740章 二少は本当に大丈夫なの？

夏川清美は電話を切り、夕食の準備が整った。結城陽祐は片手で木村久美を抱きながら、もう一方の手で夏川清美の手を握ろうとした。

本来なら夏川清美は拒否するつもりだったが、木村久美の輝く大きな目と向き合うと、最終的に振り払わず、男性に手を握られるままにした。

後ろで結城お爺さんがこの光景を見て、心の中で孫を嘲笑せずにはいられなかった。毎日くまちゃんを嫌がっているくせに、いざという時には結局くまちゃんの力を借りるとは。

しかし結城陽祐はお爺さんの嘲笑を感じ取れず、夏川清美の手を握れることで、彼は全身から満足感を漂わせていた。

夕食のほとんどは夏川清美の好物で、新しい料理も多く並んでいた。

夏川清美は先ほどから結城叔父さんを含む使用人たちが彼女に対して異常なほどの熱意を示していることを感じていたが、食堂に入るとその感覚はさらに強くなった。