17- ハクナマタタ

「私は今まで商業規模でビーフファヒータを作ったことがないわ」とマリッサは、アカリとシトラと一緒に買い物リストを作りながら言った。彼女は、ラファエルがそれを食べる時の柔らかな喘ぎ声を思い出さないように必死だった。

「きっと上手くいくわよ、マー!」アカリは彼女の肩を叩き、マリッサが提供したラップトップで帳簿をつけ始めた。

この2週間、彼女はアカリをフリントと一緒にスーパーに買い物に行かせていた。リスクを取りたくなかったのだ。

シンクレア家と向き合う心の準備をしたかったが、できるだけ先延ばしにする方が良かった。

「アカリ。リストができたわ。買い物に行ってきて。それと、必ず新鮮なトマトを選んでね。他の注文のために大量に必要なの」アカリはうなずき、ラップトップのキーを打ち始めた。