33- 楽しんでいる！

「元気？ハニー？」ケイトはアミールからのメッセージを見て微笑んだ。

「うん、元気よ。特に昨夜の後で...ウインク」

彼の悪戯な返事を待っていると、電話が鳴った。「ああ。君は美味しかったよ...ケイト...」

「あそこで？」

「ああ、どこもかしこも。ハハ。そういえば、オフィスはどう？あの泥棒があまり迷惑かけてないといいけど」と彼は尋ね、彼女は口を尖らせながら入力を始めた。誰のことを言っているのかわかっていた。

「今オフィスは大変なの。そしてあなたの言う泥棒のテナントが原因よ」

アミールは焦れた様子で「どうして？何があったの？」

「あの嫌な女よ。警備員をかわしてVIPフロアまで連れて行ったの。スピーチの最中に警備員が突入してきたわ」指が痛くなるほど打ち続けたが、その瞬間を共有したくて続けた。

「ほら見ろ？彼女はトラブルメーカーだって言っただろう。だから君と一緒にいて欲しくなかったんだ。心配するな、愛しい人。何か考えるよ」

「うん、わかってるわ、ハニー。行かなきゃ。バイバイ」

チャットを閉じて、携帯に顎を乗せた。人々は席に戻り、ジョセフ氏がスピーチを再開していた。

ケイトは、誰もマイクで喋っているくだらない内容に注意を払っていないことをよく分かっていた。みんな、この部屋の外で起きているはずのドラマの方に興味があった。

***

「マリッサ？あなたなの？」ラファエルは目を疑い、席を立った。「なぜそこに立っているの？どうぞ座って」

彼は席を示しながら彼女の方へ向かった。

「結構です、ラファエル...あの...ミスター・ラファエル...」彼女は咳払いをし、彼の顔に怒りの兆しがないか探った。彼女の目に映ったのは、彼の幅広い肩だけだった。

彼女は、彼が自分の要求を聞き入れ同意するまで戦う覚悟ができていた。

「座るためにここに来たわけではありません、ミスター・シンクレア。外にいる女性のことです。あなたは彼女の言い分を聞かずに解雇しました。そうしないでください」

彼はその要求に少し驚いた様子で「彼女があなたをいじめようとしたの？」

今度は彼女が驚く番だった。「え？」

「彼女があなたをいじめたんです、ミス・アーロン。私は...私のオフィスでそれを許すわけにはいきません」