289- ジーナの学期

「寝てるのかと思ってた」マリッサは子供たちの寝顔を見つめるのに夢中で、ソフィーが部屋に入ってきたことに気付かなかった。

マットレスに手をついて体を起こし、ヘッドボードに背中をもたせかけた。抱き合った後、みんなでベッドに集まった。子供たちは父親を恋しがる気持ちを語り、マリッサは辛抱強く耳を傾けた。

子供たちの痛みに寄り添いながら、これからはお父さんが遠くから見守ってくれること、今までと同じように喜びも悲しみも分かち合い、応援してくれることを優しく説明した。ただ、会えなくなり、抱きしめ合えなくなるだけだと。

そう言いながら、心を引き裂かれるような痛みを感じたが、子供たちを慰めなければならなかった。幼すぎる彼らにはこのような悲しみは重すぎた。

父親という存在がどういうものか知らなかった子供たちは、父親ができたときは有頂天だった。