ラファエルは、先ほどまで抱き合っていた若いカップルが、今は罪悪感に満ちた表情で立っているのを見た。
ラファエルはその少年を知っていた。本屋で彼女に付き添っていた同じ少年だった。
「失礼します」マリッサは後ずさりし、急いでキッチンを出て行った。少年は気まずい状況に立ち往生しているようだった。しかし、おそらく彼もそこに留まりたくなかったのか、ヴァレリーの妹の後を追うことにした。
ラファエルは咳払いをし、小さなリビングルームを見回した。彼は、自分がもう一人の女の子のためにここに来たという印象を与えたくなかった。その哀れな男は、ヴァレリーが彼の望みを最初からすべて見透かしていたことを知らなかった。
「どこかに座りませんか?」と彼が提案すると、ヴァレリーは恥ずかしそうに笑いながら額を手で叩いた。
「私ったら!ひどいホストね。どうぞ座ってください」彼が座ると、彼女は彼の隣に寄って座った。
「私たちの町の恋人たちよ!」と彼女は何気なく言い、ラファエルは聞き間違えたのかと思った。
「えっ?誰のこと?」
「私の妹とフィンよ。幼なじみの恋人同士なの」彼女は何気なく彼の手を取りながら言った。「近所の人はみんな彼らの恋物語を知ってるわ。両親はもう、二人が一緒に人生を築いて、子供を持って、お互いを支え合って、深く...狂おしく愛し合う姿を想像できるくらいよ...」
ラファエルはヴァレリーが何を話しているのか分からなかった。
その女の子は既にその男と付き合っているのか?
「俺は...」彼は舌で唇を舐めた。「二人は友達だと思ってた」
「ああ、最初は二人とも気付いてなかったの。でも何かが起こって、より親密になったの。マリッサに恋をした隣人がいたの...」
マリッサ?なんて美しい名前だ!
「何が起きているか分かった時点で、警察に通報しなければならなかったわ」
今度はラファエルが眉をひそめた。「警察?なぜ?」
「マリッサは未成年だったの。今でもそう。18歳の男の子が15歳の女の子を誘惑するなんて考えてみて。18歳未満の人は子供に過ぎないわ。同年代の人としか付き合うべきじゃない。子供に惹かれるような変態がいるなんて信じられないわ。そんな変態は死ぬまで吊るされるべきよ」
ラファエルは頭から氷水を浴びせられたような気分だった。