352- 入れて

ニーナはガブリエルを6時間待ち続けたが、彼は現れなかった。電話もメールも一切なかった。

涙をこらえようと必死だったが、喉の奥の大きな塊がそれを困難にしていた。

彼女はバッグを持って立ち上がり、最後にもう一度ガブリエルに電話をかけた。電話は圏外という同じメッセージが流れるだけだった。

バッグを胸に抱きしめながら、周りを見回した。行き場がなかった。生活していくためのお金もなかった。

彼女の宝石や服はガブリエルの家にあったが、今はそこに行きたくなかった。彼の言い訳や、本当は謝っておらず、ただ彼女の体が欲しいだけの「ごめんなさい」を聞きたくなかった。

彼は本当に彼女を愛していたのだろうか、それとも単なる欲望だったのだろうか?

どこに行けばいいのだろう?

でも…

ちょっと待って…