第36章 この学校に、お前より生意気な生徒がいるのか?

「ありがとうございます、おばさん」

灰原優歌は受け取って、うつむいて飲んでいた。

「お嬢様、私のことは苗木おばさんと呼んでください」

苗木おばさんは、この少女を一目見て気に入った。

とても聡明な顔立ちで、奥様が選んだ他の娘たちよりずっと愛らしかった。

「苗木おばさん、私は灰原優歌です。優歌と呼んでください」

苗木おばさんはすぐに首を振った。「礼儀は守らなければいけません。やはり優歌さんとお呼びします」

それを聞いて、灰原優歌もそれ以上は強くは言わなかった。

苗木おばさんも、渡様が女の子を家に連れて帰るとは思ってもみなかった。密かに、早く奥様に報告しなければと考えた。

……

翌日。

永徳高校、2年7組。

教壇の先生は怒って言った。「土屋遥、お前はますます規律を守らなくなってきているな?制服も着ていないし、宿題も持ってきていないし?」