第150章 俺様の肉一つ減らないさ

若者は病院の病室の機器を通じて、柴田おじい様の治療と監視を妨害しようとしていた。

しかし、侵入すればするほど、若者は不思議な違和感を覚えていった。

どうしたことだ?

確かに、別のシステムから侵入したが、こんなにスムーズにいくはずがない。

おかしい!

この状況は順調すぎる!!

すると、若者は午後に灰原優歌のパソコンに侵入した時のことを思い出し、背筋が凍る思いをした。

「まさか!気のせいだ!十数年も顧みられなかった娘に、そんな能力があるはずがない。」

若者は自分に言い聞かせた。

自分が不注意だったから、誰かにウイルスを仕掛けられる隙を与えてしまったのだ。

柴田家で笑い者にされているあの娘はまだ若いじゃないか?高校も卒業してないかもしれないのに、彼女にそんなことができるはずがない。