第162章 私たちA.M.所の全メンバーが、彼女の面倒を見ます

しかし、マーカスは予想もしていなかった。

むしろ、彼はより一層殺意を感じていた。

「何でもないよ、馬場君。ただ、私たちの長年の友情を思い出してね。本当にありがとう」

金井雅守は軽く咳をして、優しく言った。

ところが、マーカスは笑って言った。「確かに大変だったね。大学の同窓生だった頃は、お互いの生え際も同じだったのに。

今じゃ、僕が君の隣にいると、他人から見たら君は僕の父親に見えるんじゃないかな?」

「……」

金井雅守も作り笑いを浮かべた。「去年の研究会を欠席したのは、こっそり植毛に行ったからだって知ってるんだぞ!」

「嘘だ!そんなことない!」

マーカスは顔を真っ赤にした。

金井雅守は冷笑した。「いい年して偽装とは、本当に恥ずかしい限りだ」

「……」

マーカスは怒りを必死に抑えながら、微笑んで言った。「今年うちの研究所に新しい実力者が来たことを妬んで、そんなくだらないことを言うんじゃない」

「あ、そうだ。マーカス、言い忘れていたことがある」

「何だ?」マーカスは突然、強い不吉な予感を感じた。

「君の新メンバーのことだけど、私がしっかり面倒を見てあげるよ。A.M.研究所の全メンバーで、彼女のことを丁寧にケアするからね」と金井雅守は親切そうに言った。

「何だって?説明してくれ。うちのメンバーが、お前の世話になる必要があるのか?!」

マーカスは体を震わせながら、急いで尋ねた。

「いやいや、もう灰原優歌さんには話してあるんだ。契約なんて必要ない、A.M.研究所を無料で使っていいって。

遠慮することはないよ。君のメンバーは私のメンバーだ。みんな身内なんだから」と金井雅守は慰めるように言った。

「誰がお前みたいな老いぼれと身内だ?!金井雅守、お前には恥という概念がないのか?!」

マーカスは歯ぎしりした。

結局、この老狐を防ぎきれなかった!

「じゃあ、切るよ。おやすみ、マーカス」

金井雅守はにこにこしながら電話を切り、すっきりした気分になった!

いつも得意げにしているから。

今日はようやくスッキリした!

しかし。

マーカスは眠気が消え、今すぐにでも航空券を購入して金井雅守を殺しに行きたい衝動に駆られた。

「いいか、覚えておけよ!アルリアに隠れているからって、私から逃げ切れると思うなよ」