金井雅守は我に返ると、すぐに笑顔を取り戻した。
明らかに、今回も準備万端で来ていたのだ。
「灰原さんは国内の研究所がお気に召さないのですか?」金井雅守はにこやかに尋ねた。
「契約精神です。」
灰原優歌は唇の端を上げ、彼の方を向いて、艶やかな眉目で言った。「実は以前、A.M.計算研究所も考えていましたが、貴所の条件に私は合致していませんでした。」
その言葉を聞いて。
金井雅守は一瞬固まり、すぐにA.M.の採用要件を思い出した。
第一条は、学士以上の学歴を持つ者のみを採用すること……
しかし誰も、高校生がこれほどの実力を持っているとは思いもよらなかった!!
「灰原さん、これは……」
金井雅守は一時的に言葉に詰まった。
灰原優歌は思わず笑って言った。「普通のことですよ。国内の計算研究所はみなそうですから。」