第161章 A.M.研究所長の引き抜き

金井雅守は我に返ると、すぐに笑顔を取り戻した。

明らかに、今回も準備万端で来ていたのだ。

「灰原さんは国内の研究所がお気に召さないのですか?」金井雅守はにこやかに尋ねた。

「契約精神です。」

灰原優歌は唇の端を上げ、彼の方を向いて、艶やかな眉目で言った。「実は以前、A.M.計算研究所も考えていましたが、貴所の条件に私は合致していませんでした。」

その言葉を聞いて。

金井雅守は一瞬固まり、すぐにA.M.の採用要件を思い出した。

第一条は、学士以上の学歴を持つ者のみを採用すること……

しかし誰も、高校生がこれほどの実力を持っているとは思いもよらなかった!!

「灰原さん、これは……」

金井雅守は一時的に言葉に詰まった。

灰原優歌は思わず笑って言った。「普通のことですよ。国内の計算研究所はみなそうですから。」