しかし今では、誰が見ても噂は嘘だと感じるだろう。
この柴田裕香は……寵愛されている人には全く見えない。
そしてその時。
柴田裕也は墨のような眉目に冷ややかさを漂わせ、いらだった口調で言った。「うちの可愛い子と付き合っているかどうかに関係なく、今すぐそいつを出てこさせろ。」
ふん。
カエルのくせに、うちの白鳥のお姫様に触れようなんて。
本当に死にたいらしい。
「それが……今のところ、誰が灰原優歌と不純異性交遊しているのか分かりません。」生活指導主任は顔色を変えた。
それを聞いて、柴田裕也は生活指導主任を振り向き、より冷たい視線を向けながら、皮肉げに言った。「つまり、この手紙だけで、妹が不純異性交遊していると決めつけたということですか?」
「そういうわけではありません。その前から、7組の生徒が不純異性交遊をしているという報告がありました。私が巡回している時に、その手紙が灰原優歌のノートから落ちるのを目撃したんです。」