諦めきれない?
ふん、この野郎、頭が固すぎるのか?
柴田裕也の妹に、手を出そうだなんて??
柴田裕也の整った顔が曇る中、灰原優歌は、先ほど柴田裕香と話していた女子の方をちらりと見た。
確かクラスの国語委員だった。
灰原優歌は眉を少し動かし、その女子が問題集を整理しながら、時折彼らの方をちらちらと見ていることに気づいた。
それを見て、灰原優歌は口角を上げた。
突然。
全員が灰原優歌のゆっくりとした声を聞いた。「上田先生、うちのクラスの転校生って私だけですよね?」
その言葉が落ちると同時に、灰原優歌は横目で女子が凍りついたように息を飲むのを見た。
「そうだね……」
担任は深く息を吸い、頷いた。
「じゃあ……」
灰原優歌は目尻を軽く上げ、「クラス替えした人は?」
その瞬間。