第169章 俺の優歌は俺の命

諦めきれない?

ふん、この野郎、頭が固すぎるのか?

柴田裕也の妹に、手を出そうだなんて??

柴田裕也の整った顔が曇る中、灰原優歌は、先ほど柴田裕香と話していた女子の方をちらりと見た。

確かクラスの国語委員だった。

灰原優歌は眉を少し動かし、その女子が問題集を整理しながら、時折彼らの方をちらちらと見ていることに気づいた。

それを見て、灰原優歌は口角を上げた。

突然。

全員が灰原優歌のゆっくりとした声を聞いた。「上田先生、うちのクラスの転校生って私だけですよね?」

その言葉が落ちると同時に、灰原優歌は横目で女子が凍りついたように息を飲むのを見た。

「そうだね……」

担任は深く息を吸い、頷いた。

「じゃあ……」

灰原優歌は目尻を軽く上げ、「クラス替えした人は?」

その瞬間。