第168章 この顔なら恋愛するより誘惑される方だ

柴田裕也の目には冷たい感情が宿っていた。

「次に優歌に嫌がらせをしたら、もう許さないぞ」

「私じゃない!」柴田裕香は目を見開いたが、心の中では恐怖が広がっていた。

柴田裕也は嘲笑して、「掲示板の件は、お前がやったことだってはっきりしているだろう?」

その言葉を聞いて、柴田裕香は全身に氷水を浴びせられたかのように、寒気が骨の髄まで染み渡った。

しかしすぐに、先生が彼女を助け起こし、皆の思考を遮った。「何を見ているんだ?誰か手伝って、早く病院に連れて行かなければ!」

その時。

柴田裕也も柴田裕香にこれ以上時間を費やしたくなかった。服装を整えると、職員室に入っていった。

彼の可愛い妹に因縁をつけようとした奴が誰なのか、見てやろうじゃないか!!

職員室では。

土屋遥は思わず灰原優歌の服を引っ張り、話しかけようとした。

「灰原……」

「黙れ!」

誰も反応する間もなく、柴田裕也は大股で歩み寄り、灰原優歌を自分の後ろに引き寄せ、土屋遥に冷たい視線を向けた。「誰が俺の妹に話しかけていいと言った?」

他の人たち:「……」

土屋遥:「……」

最近は隣の席の人と話すのにも許可が必要なのか?

「あなたは……灰原優歌の保護者ですか?」

生活指導主任は一目で柴田裕也だと分かったが、まさか灰原優歌の保護者として現れるとは思わなかった!

隣にいた担任は柴田裕也の冷たい視線を見て、この家の兄弟たちは自分たち同士でさえ喧嘩しそうになったことを思い出し、まして土屋遥に対してはなおさらだと考えた。

そこで急いで説明した。「灰原優歌のお兄さん、この生徒は灰原優歌の恋愛相手ではありません」

その言葉を聞いて、柴田裕也の身から発する冷気がやや和らいだ。

しかし、生活指導主任が話し始める前に、柴田裕也は高圧的に冷たく言った。「言ってみろ、誰が俺の妹を汚そうとしたんだ」

この言葉に、柴田裕也が問題を解決しに来たのではなく、仇を討ちに来たのではないかと疑わせた……

しばらくして。

生活指導主任は作り笑いを浮かべながら、「柴田さん、これは他人の問題ではありません。七組で恋愛をしている生徒がいるという通報を受けました。

そして偶然にも、昨日灰原優歌とその男子生徒の交際を示す手紙が見つかったのです」

「つまり、俺の妹に問題があるということか?」