第171章 灰原優歌は彼を追いかけた

しかし。

橋口美月のその言葉を聞いた友人は、全身が凍りついた。

西尾翔がよく7組に来ていたのは、橋口美月に会いに来ていたんじゃないの??!

女子生徒は目を見開いて橋口美月を見つめ、突然、西尾翔と橋口美月の間の曖昧な関係を思い出した……

だから、この手紙は本当に灰原優歌のものではなく、橋口美月のものだったの!??

しかし、女子生徒が我に返った後、複雑な眼差しで橋口美月を見つめ、最後には俯いて、沈黙を選んだ。

灰原優歌のために、自分の親友を告発するわけにはいかなかった。

「西尾翔?」

担任教師はこの生徒のことを少し覚えていた。確か1組の生徒で、しかも灰原優歌と同じ学校から永徳に転校してきた生徒だった。

ただし、一人は1年生の後期に転校してきて、もう一人は今学期に転校してきた。