第172章 お前は死にたいらしいな

生活指導の先生は考えるまでもなく「退学処分だ!」と言い放った。

その言葉を聞いて、橋口美月はよろめきそうになり、隣の雅子も胸が締め付けられた。まさか事態がここまで大きくなるとは!

これまでも、学校で恋愛している生徒たちを見つけることはあったが、せいぜい反省文や処分程度で済んでいた。

しかし今回は、明らかに状況が深刻だった。

「いいですよ」

灰原優歌は気にも留めずに唇を曲げた。

十分後。

イケメンとは程遠い男子生徒が入ってきた。体格ががっしりとして、小麦色の肌をしていた。

「先生、何かご用でしょうか?」

西尾翔は言い終わると、突然隣にいる橋口美月に気づき、心臓が飛び出しそうになった。

しかしすぐに、隣にいるもう一人の目を引くほど美しい女子生徒にも気づいた。どこかで見たことがあるような気がした。