第173話 嘘が暴かれる

西尾翔も予想していなかった。柴田裕也が人前で彼に手を出すなんて。彼は恐怖で胸がいっぱいだった。

そしてその時。

ドアの隙間から覗いていた人々は、目を見開いて見ていた!!

柴田裕也が灰原優歌のために人を殴るなんて!??

このお兄さんマジで神すぎる!!?

「やばい、灰原優歌ってどんな神様みたいなお兄さんを引き当てたの??さっき柴田裕也が優歌のために西尾翔を殴ったの!??」

「こんなお兄さんがいるのに、灰原優歌は何を考えてるの?西尾翔なんかに目をつけるなんて!??」

「柴田裕也が灰原優歌を引き受けるなんて、本当に運が悪いよね。柴田裕香と比べたら、灰原優歌なんて泥棒に追い銭だよ」と、嘲笑する声も上がった。

ドア付近での議論は止まらなかった。

……

その時。

静かなオフィスの中で、軽い笑い声が特に目立った。