第248話 アイドルと対面

柴田の母は目を見開いて、信じられない様子で柴田の父を見つめた。

「いいわね、あなたも裕香のことを見捨てるの!??」

柴田の父は怒りを爆発させ、「見てみろよ、裕香は一体どうなってしまったんだ!?一度は故意じゃないかもしれないが、二度三度となったらどうなんだ??

優歌に何か起こるたびに、全部彼女が関係している!どうやって彼女を信じろというんだ??」

その言葉が落ちた瞬間。

突然、近くで物が落ちる音が響いた。

柴田の父と母が振り向くと、柴田裕香が目を赤くして、信じられない様子で悔しそうに父を見つめているのが見えた。

その時。

柴田の父も何となく慌てた。結局、二十年近く可愛がってきた子供なのだから。

「裕香……」

柴田裕香はすぐに顔を背け、目を赤くしたまま走り去った。

「全部あなたのせいよ!灰原優歌が裕香に勝るところなんてどこにあるの、あなたたちみんな少しずつ彼女の味方になっていくなんて!?」