第247章 仲違いじゃなかったの??

そのとき。

吉田東雄も灰原優歌に気づいた。

彼は面白そうな目つきで、この二人が普段どのように過ごしているのか見てみたいと思った。

さっき久保時渡が何気なく尋ねたところによると、この二人は喧嘩しているようだ。

「どうしたの?」

灰原優歌は振り向いて、目尻を下げて彼を見つめた。

「こっちに来て」

それを聞いて、灰原優歌は彼を見つめ、そして面白そうに見守っている吉田東雄をちらりと見て、久保時渡の方へ歩み寄った。

久保時渡はそれを見て、唇の端をわずかに上げた。

彼は立ち上がり、無造作に目を伏せながら、彼女の手首を掴んで、ヘアゴムを外した。

「外は暑いから」

そう言うと、久保時渡は少女の手の届く位置に立ち、長く整った指で優しく彼女の巻き毛を掻き上げ、ゆっくりと丁寧に髪を結んでやった。