第272章 私の先生は裴さん

この言葉を聞いて、柴田おじい様は息が詰まり、柴田陸信を険しい表情で見つめた。

この小僧は本当に毒だ!

しかし。

柴田おじい様をより驚かせたのは、柴田陸信のこうした行動が、全て灰原優歌を守るためだったということだ。

彼の目の奥に暗い色が走り、思わず安堵の感情が湧いてきた。

これでよかった。

陸信が優歌を守ってくれるなら、少なくとも今後優歌は誰にも虐められることはないだろう。

その後。

柴田陸信がリンゴを半分剥いているところに、柴田浪が突然おじい様を見舞いに来た。

「優歌!??」

柴田浪は灰原優歌を見るなり、目を輝かせた。

ただし、それは柴田陸信の眉をひそかに寄せさせることとなった。

「もういい、おじい様の耳が聞こえなくなりそうだ!」柴田おじい様は目を白黒させた。

「優歌、お腹すいてない?三兄さんが下に行って何か買ってこようか?」