この言葉を聞いて、柴田おじい様は息が詰まり、柴田陸信を険しい表情で見つめた。
この小僧は本当に毒だ!
しかし。
柴田おじい様をより驚かせたのは、柴田陸信のこうした行動が、全て灰原優歌を守るためだったということだ。
彼の目の奥に暗い色が走り、思わず安堵の感情が湧いてきた。
これでよかった。
陸信が優歌を守ってくれるなら、少なくとも今後優歌は誰にも虐められることはないだろう。
その後。
柴田陸信がリンゴを半分剥いているところに、柴田浪が突然おじい様を見舞いに来た。
「優歌!??」
柴田浪は灰原優歌を見るなり、目を輝かせた。
ただし、それは柴田陸信の眉をひそかに寄せさせることとなった。
「もういい、おじい様の耳が聞こえなくなりそうだ!」柴田おじい様は目を白黒させた。
「優歌、お腹すいてない?三兄さんが下に行って何か買ってこようか?」