第288章 他人の宝物に手を出すつもり？

柴田おじい様は眉をひそめながらも平静を装い、この姉妹の深い恨みについて、おおよその見当がついていた。

「二、三日したら雲城に戻るよ」

三浦夫人はそれを聞くと、笑みを浮かべながらみかんの皮を剥き始め、その口元の弧には隠しきれない感情が滲んでいた。「まさか、あの血のつながりのない養女と一緒にいるんじゃないでしょうね？

姉さんは一体何を考えているのかしら。他人の子供なのに、なぜそこまで気にかけるのかしら？」

三浦夫人の口調は、聞いていて不快な感じがした。

しかし柴田おじい様は、その言葉が間違っているとは思わなかった。

ただし。

その後、三浦夫人は柴田おじい様の許容範囲を超えて放縦になった。

「でも理解できますわ。自分の産んだ娘は何もできない。姉さんはあんなに強い人だから、受け入れられないでしょうね？」

三浦夫人は柴田おじい様の方を向き、笑いながら言った。「そうそう、主人には弟がいるんです。年は少し上ですが、大きな問題もない。うちの優歌を試してみませんか？」

その言葉が落ちた。

傍らでずっと黙って携帯をいじっていた柴田浪の目が冷たくなった。

彼は冷ややかな笑みを浮かべた。

「おばさんご自身で試してみたらどうですか」

三浦という男の弟は、三十近い放蕩者で、業界では誰も彼と結婚したがらない。なのにこの女は灰原優歌に目をつけたのか。

「まあ、親戚同士の縁結びですもの。それに優歌はこの成績じゃ……もう何年も学校には通えないでしょう？」

三浦夫人は既に決意を固めており、灰原優歌と義理の弟を結婚させようと考えていた。もしこれが成功すれば、夫も彼女をより重用するだろう。

「うちの優歌は柴田家唯一の女の子だ。結婚しなくても、兄として養う力は十分にある」

柴田浪は冷たい目つきで、よそよそしく言った。

なるほど、三浦夫人がこの話を聞いて即座に雲城に来たわけだ。

こんな下心があったとは。

「結婚しないなんて、どうしてそんなことに！？」

三浦夫人は再び笑って言った。「浪さん、あなたのゲーム会社の地域部門も、私の夫の会社が提携先でしょう。優歌が嫁いできたら、みんな羨ましがるわよ」

同時に、三浦夫人は心の中で嘲笑していた。

この灰原優歌は柴田裕香に及ばない。柴田家のお嬢様とはいえ、全く見劣りする存在で、彼女の義理の弟と結婚するのは十分すぎるほどだ。