「渡様、私たちは先に会社に行きましょうか?外には苗木おばさんがいますし、それに、灰原さんはきっと昨夜眠れなかっただけでしょう」
「お前は先に会社に戻って、ビデオ会議の連絡を入れておけ」
曽田旭:「……」
やはりこうなるか。
会社にとって灰原さんの方が大事になってきているようだ。
……
三浦氏。
「三浦社長、主神図本部から連絡が入りまして、契約を解除したいとのことです……さらに、訴訟も検討しているそうです」
それを聞いて、三浦国富の表情が一変した。「何だって???」
彼は契約解除を最も恐れていた人物だった。主神図から多くの利益を得ていたため、この美味しい話を簡単に手放すわけにはいかなかった。
「現時点で、この件は誰も知らないですよね?」三浦国富は疲れた様子で、こめかみをさすった。