第304章 三浦氏との契約解除

「渡様、私たちは先に会社に行きましょうか?外には苗木おばさんがいますし、それに、灰原さんはきっと昨夜眠れなかっただけでしょう」

「お前は先に会社に戻って、ビデオ会議の連絡を入れておけ」

曽田旭:「……」

やはりこうなるか。

会社にとって灰原さんの方が大事になってきているようだ。

……

三浦氏。

「三浦社長、主神図本部から連絡が入りまして、契約を解除したいとのことです……さらに、訴訟も検討しているそうです」

それを聞いて、三浦国富の表情が一変した。「何だって???」

彼は契約解除を最も恐れていた人物だった。主神図から多くの利益を得ていたため、この美味しい話を簡単に手放すわけにはいかなかった。

「現時点で、この件は誰も知らないですよね?」三浦国富は疲れた様子で、こめかみをさすった。

話していた人は一瞬躊躇し、さらに小さな声で続けた。「主神図本部は最近、柴田集団と積極的に接触を図っているようです……」

この言葉の意味は、もはや明白だった!

「柴田集団だと??!」

三浦国富の表情は最悪だった。

もし柴田集団の人々と以前から面識がなければ、本部が直接連絡を取るはずがない。

「この柴田陸信め、やりやがったな」三浦国富は歯ぎしりした。

会議が終わった後、三浦国富は三浦夫人に電話をかけ、柴田家に行って話をつけてくれるよう頼んだ。

永徳高校。

高校二年一組。

「雅子、あなたは三浦家のお嬢様だって聞いたけど、三浦氏は本部から責任追及されたりしないの?」誰かが尋ねた。

その言葉を聞いて。

三浦雅子は問題を解く手を止め、相手を見つめながら微笑んで答えた。「大丈夫よ、心配しないで。そんなこと、あなたたちが心配することじゃないわ」

すると、その女子生徒は気まずそうに、「私、そういう意味じゃなくて、ただ心配しただけで……」

三浦雅子は再び前を向き、うつむいたまま問題を見ながら笑って言った。「私は大丈夫だし、誰かの心配なんて必要ないわ。むしろ、自分のことを心配した方がいいんじゃない?」

その言葉を聞いて、女子生徒は顔を青ざめさせ、何か言い訳めいたことを言って逃げるように去っていった。

それを見て、三浦雅子の伏せた瞳には冷たい光が宿ったままだったが、ペンを握る手の関節は白くなっていた。

そうして、内田和弘が直接三浦雅子を訪ねてきた。