三浦夫人が柴田おじい様に泣きながら訴えていた時、ちょうど柴田陸信に見つかってしまったのだ。
三浦夫人は柴田陸信を見るなり手を出そうとしたが、柴田陸信のボディーガードたちに病院から追い出されてしまった。
さらに、病院に対して柴田おじい様への部外者の面会を禁止するよう伝えられた。
これで、三浦家は完全に柴田家に恨みを抱くことになった。
……
昼過ぎ。
灰原優歌が目を覚まし、部屋でメールを処理している男性を見て、「お兄さん?」
彼女は起き上がり、また久保時渡の部屋で寝ていたことに気付いた。
この一ヶ月、彼女はもう久保時渡と部屋を交換しなくても眠れるようになっていた。しかし、ちょうど本橋桜の命日が近づいていた。
毎年この時期は、薬を飲まないと精神的なプレッシャーを少しでも和らげることができない一週間だった。