「私なら灰原優歌なんて相手にしないわ。あの子が私たちの学校に来たけど、別に大したことないじゃない。ただの運のいいダメ人間よ」
女子が鼻で笑った。
その後ろで聞いていた二人は、それぞれ思うところがあった。
三浦雅子の全身の血が凍りついたかのようだった。
かつて彼女は、自分は柴田裕香よりちょっと劣るだけだと思っていた。柴田裕香が柴田家を離れれば、もう自分には及ばないと思っていた。でも今は……
突然、内田和弘が優しく笑って言った。「まさか、裕香がこんなに凄かったなんて。ニレイ十八令嬢舞踏会の招待状まで手に入れられるなんて」
三浦雅子の冷たい声が硬くなった。「でも、この舞踏会は……今まで私たちの国の令嬢を招待したことがないはず……」
それに、たとえ柴田家の本家のお嬢様でも、国内第一の令嬢ではないし、このレベルの舞踏会に参加する資格もないはずだ。