彼は長い間抑えていて、やっと口から出そうになった罵り言葉を我慢した。
頭の中まで混乱してしまった!
「どうしたんですか、森下先生?」若い教師が振り向いて、先ほどの採点教師に不思議そうに尋ねた。
この森下先生はいつも一番落ち着いているのに、今日は幽霊でも見たかのように、びくびくしている。
「まいった……」
採点教師はまだ自分の世界に浸っていて、抜け出せないようだった。
「どうしたんですか?生徒の点数が低すぎたんですか?」
木本先生が近づいてきて、若い教師の腕を叩きながら笑って言った。「それは普通のことですよ。私が問題を作って何年も経ちますが、満点を取った生徒は一人もいません。」
さすが物理界の無敵の第一人者だ。
「いいえ、違います……」
採点教師は呆然と言った。「この生徒は……満点みたいです……」