第321章 国際音楽協会からの招待

「こちらは戸田霄様です。」

吉田麻奈未は灰原優歌に紹介し終わると、今度は戸田霄に、「こちらは灰原優歌です。」と紹介した。

「はじめまして。」

灰原優歌は軽く微笑んで、戸田霄と握手を交わした。

その後。

灰原優歌はゆっくりと尋ねた。「戸田様が私をお探しになった理由は、何でしょうか?」

その言葉に、戸田霄は一瞬戸惑い、すぐに我に返ると、興奮して目を見開いた!

「あなた、あなたがYUNですか??」

灰原優歌はそれを聞いて、振り返って吉田麻奈未に尋ねた。「私、このペンネームなの?」

「そうよ!」

吉田麻奈未は真面目な顔で言った。「知らないでしょうけど、最近、研究者のY.G.がすごく話題になってたの。同じ名前を使ったら、絶対に批判されて、便乗だって言われるわ。

だから会社が私に名前を変えるように言ったの。どう?いい感じでしょう?」

「……」

灰原優歌は確認した後、再び戸田霄の方を向いて、「戸田様、お話しください。」

「私は...灰原さんに音楽の道に進んでいただけないかと思いまして。」戸田霄は少し緊張した様子だった。

彼は思いもよらなかった。人気作曲家のYUNがこんなにも若かったとは...

「いいえ、たまたまお金が必要なだけです。」灰原優歌のこの言葉に、吉田麻奈未はまぶたをピクリと動かした。

まさか、灰原優歌が作曲の仕事を本当にアルバイト程度に考えているとは。

「しかし、灰原さんの才能は素晴らしい。私が厚かましくも灰原さんの師になろうとは言いませんが、もし灰原さんがよろしければ、道を開くお手伝いをさせていただきたい。」

戸田霄は我慢できずに勧めた。

「でも、それは戸田様にとって何のメリットがあるのでしょうか?」吉田麻奈未も思わず尋ねた。

これは国内外で称賛される一流の音楽家なのだ。

「確かに灰原さんにお願いしたいことがあります。私は国際音楽協会の会長として、灰原さんに我々の国際音楽協会のメンバーになっていただきたいのです。」

戸田霄は苦笑いを浮かべた。「私には執念があるんです。音楽協会にアルリアの人が一人でもいてほしいと。残念ながら、私は六、七歳の時に既に移民してしまい、名実ともに相応しくないのです。」

「音楽の道には進みませんが、もし戸田様が私を国際音楽協会に相応しいとお考えなら、検討させていただきます。」