第335章 国際音楽協会初のアルリア会員

「お兄さん、今日はどうしたの?」

灰原優歌は、久保時渡が何か様子がおかしいと感じていた。

「何でもない、ちょっと考え事をしているだけだ」

久保時渡は軽く灰原優歌を見つめた。

少女の好意というのは、まるで突風のように、吹き過ぎれば消えてしまうものだ。

昨夜こっそりとキスをしたのに、今日は千田郁夫の優しさに心を奪われている。

「そうなんだ」

灰原優歌は理解を示してうなずいた。ちょうどその時、誰かからメッセージが届いた。

ちらりと見ると、以前の戸田霄が国際音楽協会のことについて尋ねてきていた。

灰原優歌は即座に返信した。

【いいよ】

その瞬間。

市の中心部のホテルで待機していた戸田霄の目が輝いた!

この雲城への訪問は、本当に無駄ではなかった!!!

……

翌朝。

国際音楽家協会はネット上で公示を発表した。

アルリア初の音楽家を迎えることを祝して、国際音楽協会はアルリアにさらに二枠を開放することを決定した。

このニュースが出るや否や、ネット上は沸き立った!

#国際音楽協会アルリア初のメンバー#というワードが、トレンド入りした!

【すごい!夢じゃないよね、国際音楽協会アルリア初のメンバー??!】

【そのアルリア初のメンバーの名前、どこかで見たことないか...】

【YUN!!!やばい、これって吉田麻奈未の作曲家じゃない?!突然現れた大物!!!】

【じゃあ、吉田麻奈未はどうやってこんな大物を作曲家として獲得したの!??】

【えー、ポップスの作曲家が本格的な音楽家として認められるの?】

【上のコメント無知すぎ。海外の有名音楽家がどれだけYUNの楽譜を研究してるか知ってる?】

すぐに、YUNがトレンド入りしたことで、吉田麻奈未の曲も恩恵を受け、音楽アプリでの首位独占が続いた。

その後。

人々は、この国際音楽協会の突然の採用により、海外でもYUNの曲を聴きに来る人が増えていることに気付いた。

結果として、誰もがファンになり、海外の音楽チャートでも1位を獲得!大好評を博した!

このような突然の幸運は、吉田麻奈未に直接もたらされたものであり、当然多くの歌手たちの妬みを買うことになった。彼らは人脈を使って、YUNについての情報を少しでも探り出そうとした。