第335章 国際音楽協会初のアルリア会員

「お兄さん、今日はどうしたの?」

灰原優歌は、久保時渡が何か様子がおかしいと感じていた。

「何でもない、ちょっと考え事をしているだけだ」

久保時渡は軽く灰原優歌を見つめた。

少女の好意というのは、まるで突風のように、吹き過ぎれば消えてしまうものだ。

昨夜こっそりとキスをしたのに、今日は千田郁夫の優しさに心を奪われている。

「そうなんだ」

灰原優歌は理解を示してうなずいた。ちょうどその時、誰かからメッセージが届いた。

ちらりと見ると、以前の戸田霄が国際音楽協会のことについて尋ねてきていた。

灰原優歌は即座に返信した。

【いいよ】

その瞬間。

市の中心部のホテルで待機していた戸田霄の目が輝いた!

この雲城への訪問は、本当に無駄ではなかった!!!

……

翌朝。

国際音楽家協会はネット上で公示を発表した。