Y.G.が出てきた!??
どういう状況???
迷う暇もなく、手の早い人たちはもう赤い封筒を受け取っていた!
マーカスがソフトを作った時に金額の制限を設定していなかったため、みんなが受け取った赤い封筒は数千から数万で、びっくりして足がガクガクした。
Y.G.は一度に十数回も赤い封筒を配り、一つの封筒に数十万も……
これはマジで太っ腹すぎるだろ!??
そして。
Y.G.は二人の大物研究所のメンバーの心の中で、新しい呼び名が付け加えられた。
——Y.G.・福の神
すぐに、マーカスが出てきた。
【マーカス:福の神、どうしたんですか?】
【Y.G.:別に、学生が賞を取って、嬉しくて。】
メッセージを見たマーカス:「……」
さっきまでティッキーとジェースミンが泣きながら言っていたのは、自分の先生が厳しすぎて、賞を取った後も先生は高貴で冷たく「うん、分かった」とだけ返事をして、まるでそれがとても普通のことのように。
でも裏では自慢魔だったとは。
残念ながら、研修生のティッキーとジェースミンは、まだグループチャットに参加できない。
マーカスはティッキーたちにスクリーンショットを送りたい衝動を抑え、横目で見ると、赤い封筒がまだたくさん残っているのに気づいた。
そして次の瞬間、彼の指は意志とは関係なくスライドし、一緒に赤い封筒を奪い合い始めた。
悲しみに浸っているティッキーとジェースミンのことを完全に忘れて。
……
灰原優歌は階段を降りて朝食も食べずに、出かける準備をしていた。
「優歌、先に朝ご飯を食べなさい。」
久保時渡は最近この少女が少し忙しく、家にいても姿が見えないと感じていた。
「お兄さん、ちょっと用事があって。」
灰原優歌が言い終わらないうちに、突然玄関から別の声が聞こえた。
「優歌、もう行く準備はできた?」
灰原優歌が振り返ると、千田郁夫だった。
なぜ彼がここに?
灰原優歌は眉をひそめた。
「金井様が、私に迎えに来るように言われたんです。」千田郁夫は口元を緩めて笑った。
灰原優歌は聞いて理解した。
この間ずっと彼女を送迎していた溝口おじさんが用事があって、金井様に人を手配してもらったのだ。でも、金井様が千田郁夫を寄越すとは思わなかった。
「私、まだ朝ご飯を食べないと。」