第380話 コンテスト1位が挑戦する?

次の瞬間。

レイ大の学生代表が立ち上がり、鋭い眼差しで内田和弘を見つめた。「すごいですね」

内田和弘は外国語が堪能で、謙虚な態度を保ちながら答えた。「たまたまです」

「そうですか?」

レイ大の男子学生は再び笑みを浮かべた。「確かに、この問題は解けましたが、雲大は私たちとの点差がまだまだ大きいですよ。

追いつくためには、少なくともあと七問正解する必要があります」

レイ大の数学部は、やはり看板学科だけあって、雲大は今回の交流戦で完敗寸前だった。

「もし貴校が許可するなら、雲大の先輩方の代わりに解かせていただきたいのですが」

内田和弘のこの謙虚な発言に、高校三年生に面目を失った先輩たちの表情が少し和らぎ、彼への印象も良くなった。

「どうぞ、誰が代わっても同じことです」金髪碧眼の男子学生は嘲笑いながら、自分たちの問題を変えるよう指示した。

レイ大の学生のこの態度に、他の人々は不快な表情を浮かべた。

雲大はアルリア国最高の学府なのに、今やローシェルの学生に面目を失い軽蔑されている。これはアルリア国の学術への挑戦でもあった。

「何が偉そうなんだ!内田さんなら解けるかもしれないじゃないか!」

「そうだ!ニレイ大学が偉いと思ってるの???」後ろの数列に座るレイ大の数学力を知らない競技の学生たちが、軽蔑的な口調で言った。

しかし、雲大の交流戦参加学生たちは、表情が険しく、もう崩壊寸前だった!!

長年にわたり、レイ大の数学部は確かに雲大を圧倒し続けてきた。確かに誇る資格はあった……

しばらくして。

黒板に、新たに二つの問題が書かれた。

これまで冷静だった内田和弘の表情も重くなり、無意識に拳を握りしめた。

雲大の数学部教授でさえ、表情を保つのが難しくなっていた。

一方、隣のレイ大の数学部教授は、自信に満ちた笑みを浮かべていた。

突然。

「この二問、解ける人はいますか?」

金髪碧眼の男子学生が振り向き、唇の端を上げながら、目に暗い色が浮かんだ。

明らかに、レイ大は最後の切り札を出してきたのだ。

しかし。

灰原優歌は偶然黒板の問題を見て、その瞳に意味深な光が宿り、小さく嘲笑った。

誰も灰原優歌の様子に気付かず、全員の注目は黒板の問題に集中していた。