第379章 伊藤西紀が来る

その言葉を聞いて、雲大先生は一瞬固まり、内田和弘を見つめた。「君が?」

これらの問題は、雲大の普通の三年生でも解くのが難しいものだった。

永徳の高校三年生に解けるのか??

その時。

ニレイ大学の学生が気軽に手を振り、怠惰そうに自信に満ちた笑みを浮かべた。「皆さん、できる方は誰でも前に出て解いてみてください。」

雲大先生は不機嫌そうな表情を浮かべながらも、頷くしかなかった。

「じゃあ、君、試してみてください。」

衆人環視の中、内田和弘は前に出て問題を見つめ、口角に微笑みを浮かべながら、机の上のチョークを手に取った。

皆の視線は好奇心に満ちていた。この人は本当に解けるのだろうかと。

その時。

灰原優歌は伊藤西紀からメッセージを受け取った。

【伊藤西紀:先生、今どこにいますか?】

灰原優歌は目を伏せ、黙々とメッセージを返信した。

【あなたの学校の講堂にいます。】

【伊藤西紀:?!!∑(❍ฺд❍ฺlll)】

寮でゲームをしていた伊藤西紀は、ほとんど躊躇することなく、すぐに日傘の花柄の傘を手に取り、外へ走り出した。

それを見た、ベッドでぐったりしていたルームメイトは、まるで瀕死の病人が驚いて起き上がるかのように、「西紀、どこ行くの??」

「人に会いに行くの!!」

「……」

知らない人が見たら、アイドルに会いに行くのかと思うだろう。

……

講堂内。

内田和弘はチョークを置き、口角を上げ、優雅に振る舞った。

「先生、書き終わりました。」

その言葉が落ちると。

前の十数人から二十人ほどの学生たちは、思わず内田和弘の解答手順を細かく観察し、その後驚きの表情を浮かべた。

誰かが驚いて叫んだ。「本当に解けた……」

雲大の学生だけでなく、レイ大の学生たちも内田和弘の解答手順を見終わった後、表情が曇った。

本当に解く人が現れたのだ。

これらの議論の声を聞いて、内田和弘は微笑むだけで、自然に壇を下りた。

雲大先生は賞賛の表情を浮かべ、「君、名前は?」

「内田和弘です。永徳高校三年生です。」

それを聞いて、雲大先生は頷きながら感慨深げに言った。「前途有望だ、前途有望だ!!」

まだ高校三年生なのに、このレベルとは。

確かに並外れている。

ずっと傍らで見ていた審査員の数学部教授も、思わず鋭い目で内田和弘を見つめた。