第394章 少女は可愛がられやすい

その言葉を聞いて。

雲田卓美は信じられない様子で久保時渡を見つめた。

久保時渡がなぜ灰原優歌と関係があるの???

雲田卓美は胸の内で複雑な思いが交錯し、灰原優歌のどこがこれほどの人々に愛される価値があるのか、どうしても理解できなかった。

「灰原さん?」

雲田翁は要点を掴んだ。

久保時渡は無関心そうに灰原優歌を一瞥した後、唇を少し歪めて、「可愛らしい子だ」と言った。

その時。

久保時渡のその一言で、雲田翁の表情が凍りついた。

自分は最初から間違った側についていたのではないかと疑い始めた。

もし灰原優歌が久保家のこの方と良い関係を持てるなら、柴田裕香が音楽協会に入ったところで何になる???

「まさか、灰原さんが久保社長とご存知とは思いもよりませんでした……」

雲田翁は表情を硬くした。