第349章 石川教授の呼び方が、なぜか甘やかしい

皆が話を聞いて振り向くと、若くて端正な顔立ちの男性が目に入った。

彼は教師陣の方から歩いてきて、笑みを浮かべていた。

永徳の引率教師は一瞬固まり、すぐに言葉を詰まらせながら「石、石川教授？？」と言った。

雲城大学情報工学科の教授で、雲城大学で最も若い教授でもある。二年前に着任した時には、ネットで一度話題になったことがある。

見た目がよく、若くして教授になったことから、まるで小説の主人公のような存在だった！！

石川信方は周りの声がよく聞こえなかったが、スクールバスを一瞥した後、灰原優歌の方を見て、思わず笑みを浮かべた。

「おやおや、ここはお前の来るところじゃないだろう？？」

石川信方は笑いを押し殺しながら、冗談めかして「早く帰りなさい」と追い払うような仕草をした。

石川信方が灰原優歌と親しげに冗談を言い合う様子を見て、先ほどまで灰原優歌を嘲笑っていた人々の笑顔が硬くなった。

この人が雲城大学の情報工学科の教授！？？

灰原優歌がなぜ知り合いなの？？？

もしかして、林院長の関係！？

でもこの教授はあまりにも若すぎて、林院長の時代の人には見えない！

「私は大会に参加するために来たの」

灰原優歌は美しい眉を少し動かし、遠くの看板を指さして「全国高校生物理コンテスト、ちゃんと見えた？」と言った。

石川信方は笑いを抑えきれず「灰原様、人の道からそれすぎじゃない？この大会まで手を出すの？？」

灰原優歌：「……」

彼女も別に手を出したくて出したわけではない。

前世では、灰原優歌は飛び級が早すぎて、後に参加した大会は世界レベルのものばかりだった。

この全国高校生コンテストは、確かに初めての参加だった。

二人が周りを気にせず会話を交わす様子を見て、他の人々は現実離れした感覚に陥った！

「あれって雲城大学の、あの有名な情報工学科の教授じゃない？彼の言葉ってどういう意味なの？」と誰かが議論を始めた。

隣にいた女子が羨ましそうに「今、石川教授が何て呼んだか聞いた？

灰原様……やばい、前に7組の連中が呼んでた時は何とも思わなかったけど、石川教授が呼ぶと何か愛情深く聞こえる」

「そうだね、なんでこの二人こんなに親しそうなの？」

そのとき。