第402章 私のお嬢様は、甘やかされて我儘でいい

「もういいよ、そんなにじっと見つめないで」

柴田おじい様は冷笑して言った。「普段は忙しくて影も形も見えないのに、今日は自ら残ると言い出すとはね。やはり優歌のためだったか」

柴田裕也:「……そうでもない」

柴田おじい様はふん、と笑い、三人の孫をじっと見つめた。

今日なぜこんなにも揃っているのか、分からないはずがない。

優歌がいなければ、この三人が本邸に長居するはずがないのだ。

ただし。

この三人の実の兄たちよりも、優歌は久保家の若い世代の方が好きなのは明らかだった。

本邸を出た後。

曽田旭が前で運転していた。

久保時渡は物憂げな表情で、骨ばった指でネクタイを緩め、シャツの上二つのボタンまで外した。

その姿は妖艶でありながら、どこか軽薄な雰囲気を漂わせていた。

男は隣の少女を見やって、「優歌、さっきはなぜ怒ったの?」