第377章 ニレイ大学交流戦

内田和弘は拳を握りしめ、手の甲に青筋が浮き出ていたが、端正な顔立ちは取り乱すことはなかった。

内田和弘が彼女を相手にしないのを見て、女子学生も気まずそうに横に座った。

その時。

前の三浦雅子と柴田裕香もそれぞれ思うところがあった。

「雅子、食べる？」柴田裕香はビスケットの箱を取り出して尋ねた。

三浦雅子は唇を動かし、彼女をじっと見つめて、「灰原優歌に一位を取られて、怒ってないの？」

柴田裕香の手が一瞬止まった。

すぐに、彼女は目の奥の暗さを隠し、再び口角を上げた。「何を怒ることがあるの？彼女が本当に実力で取ったのなら、怒っても仕方ないでしょう。」

その後。

三浦雅子が反論しようとした時、柴田裕香がくすくすと笑い続け、少し冷たい口調で言った。「でも、もし...今日彼女が来るなんて、正体を現さないわけがないでしょう？」

柴田裕香の声は小さく、三浦雅子にしか聞こえなかった。

「どういう意味？」三浦雅子は我慢できずに再び尋ねた。

「今日、雲大で交流戦があるの。私たち、見に行くはずよ。」柴田裕香は意図的に三浦雅子の表情を観察し、一瞬光った目を捉えた。

それを見て。

彼女は口角を上げ、それ以上何も言わなかった。

灰原優歌は確かに大胆だった。このような学術の達人たちが集まる場所に、こんなにも恐れずに飛び込んでくるなんて。

……

すぐに。

スクールバスは雲大に停車した。

みんなも一人一人バスを降り、思わず周りを見回した。

永徳高校は既に市内で最も立派な高校だったが、このようなトップクラスの大学と比べると、やはり見劣りがした。

引率の教師が振り返ると、数人の生徒が期待に満ちた表情を浮かべているのが見えた。

彼女は微笑んで、「あなたたちは永徳の最優秀な生徒たちよ。雲大に入るのは、実はそれほど...難しくないわ。」

柴田裕香たちは気づいた。引率の教師の話が途中で止まり、語気が硬くなったのは、灰原優歌のせいだった。

「片桐先生、ご安心ください。私たち、頑張ります。」柴田裕香は微笑んだ。

引率の教師はうなずき、その後は入試事務室の教師が彼らを案内して雲大を見て回った。

突然。

三浦雅子は抑えきれず、突然口を開いた。「今日、雲大で何か試合があるんですか？」