第422章 優歌を怒らせたことがあるの?

「……私たちがもっと注目すべきなのは、あの造物神の目じゃないかしら?」

二年前でも数億円の取引価格だったのに!

今なら、倍以上になるはずよ!!!

皆は先ほどの灰原優歌が造物神の目を金庫に無造作に戻した様子を思い出し、胸がドキドキした。

この女性は鉄の心を持っているの??!

こんな世界的な宝石が、彼女の優しさを受ける価値もないの???

その場にいた女性スタッフたちは、灰原優歌を見ながら、彼女は前世で世界を救ったのではないかと疑い始めた。

それとも人類社会に大きな貢献をしたのかしら??

そうでなければ、どうしてこんなに運が良いの?お嬢様で、三人もの神レベルのイケメン兄がいるなんて!?

この三つの箱の処理が終わると、他の人々も帰っていった。片原茉子と川瀬主任も安美姉さんに連れて行かれた。

「どうしてここに来たの?」

灰原優歌は柴田裕也を見上げて尋ねた。

「今日、優歌は実家に戻るんじゃない?二番目の兄さんが一緒に荷物を取りに行くよ。」

柴田裕也は抑えきれない笑みを浮かべ、ますます嬉しそうだった。

やっとこの日が来たんだ。

灰原優歌はその言葉を聞いて、瞳の光が暗くなり、前回久保時渡が彼女にこの件について話したことを思い出した。

灰原優歌は目に宿った異様な色を隠し、「私はまずおばあさんとショッピングモールに行って、それからおばあさんを送り届けないといけないの。」

「それならちょうどいいじゃない。僕が車で来たから、林おばあさんを送らせてもらえないかな?」

柴田裕也は漆黒の瞳を輝かせながら、今は可愛らしく灰原優歌を見つめていた。

灰原優歌は思わず赤い唇を噛んだ。

しかし優歌が口を開く前に、林院長が笑いながら言った。「いいわよ!機会があれば、柴田さんもうちに来てくださいね。」

「林おばあさん、よろしければ裕也と呼んでください。祖母が生きていた時も、そう呼んでいたんです。」

柴田裕也は林院長の方を向いて笑顔で言った。

「いい子ね、そうするわ。」

林院長は頷きながら、にこやかに柴田裕也の手を取り、逆に灰原優歌の手を離した。

灰原優歌は思わず林院長の方を振り向いた:「???」

「裕也は格好いいわね。私の孫だったら、私も嬉しいわ。」林院長は笑みを浮かべながら言った。