第416章 変なことを言うのはもうやめて

「中に金でも入ってるのかしら???」

川瀬主任は皮肉な口調で、軽蔑して言った。

灰原優歌はその言葉を聞いて、ゆっくりと彼を一瞥したが、特に何も言わなかった。

彼女は振り返って、二つの金庫とトランクを見て、思わずまぶたが痙攣した。

突然。

灰原優歌はメッセージを受信した。

開いてみると、柴田浪からだった。

【柴田浪:優歌ちゃん優歌ちゃん、金庫の暗証番号は6*****だよ。鍵は三兄が別で送ったからね、チュッ。】

灰原優歌:「……」

突然。

片原茉子の皮肉な声が響いた。「どうしたの?金庫を開ける勇気がないの?VIOのレプリカを入れておくくらいなら、できるんじゃない?」

灰原優歌は彼女を見向きもせず、携帯をポケットに戻し、六人にお礼を言った。

この無視するような態度に、片原茉子は歯ぎしりするほど腹が立った。

この女がどこまで見栄を張れるか、見てやろうじゃないの!

金庫に物を入れるなんて、自分の持ち物が高価なものだとでも思ってるのかしら。

次の瞬間。

灰原優歌は柴田陸信が送った金庫を見分けると、思わず眉を動かした。

前回、柴田陸信は彼女に、これは貴重なものではなく、ただのアクセサリーと材料で、遊び用だと言っていた。

そう思い出し、灰原優歌は鍵を取り出して、柴田陸信の金庫を開けることにした。

しかし。

金庫の扉を開けた瞬間、鳩の卵ほどの大きさの真珠とダイヤモンドが十数個、中からこぼれ出てきた。

その光景に誰も笑えなかった。

灰原優歌:「……」

和田佳枝が一番早く反応し、すぐに床に散らばった真珠とダイヤモンドを拾い始めた。

こんなに大きな真珠とダイヤモンドは、彼らは生涯見たことがなかった。見た目は本物そっくりだった。

「灰原さん、あなたの真珠とダイヤモンドです。」

和田佳枝は恐縮しながら、ダイヤモンドと真珠をテーブルの上に置いた。

他の人々はそれを聞いて、和田佳枝は頭がおかしくなったのだろうと思った。

こんなに大きな真珠とダイヤモンドが、本物のはずがないだろう???

しかし彼らが灰原優歌がルビーのネックレスを拾い上げ、さっきの真珠とダイヤモンドを手当たり次第に中に詰め込むのを見るまでは。

皆は思わず胸が痛んだ。

宝石が偽物だと分かっていても、このような扱いを見るのは心が痛かった。

突然。