しかし、話は戻りますが。
こんなに本物そっくりの偽物を、なぜネットショップで見かけないのだろう??
皆が葛藤し、疑念が芽生え始めた時。
突然、灰原優歌がバッグを取り出し、振り向いて尋ねた。「おばあちゃん、このバッグで普段の買い物はどう?」
一同:「……」
はい、これは偽物に違いない。
「これは……高価なのでは?」林院長は、柴田家の三人の若旦那が買ったものは安くないはずだと感じていた。
「まあまあです。」
灰原優歌はゆっくりと答えた。
このバッグのブランドは、確かジェースミンのおじいさんが創設したものだった。以前、ジェースミンの父親が何点か送ろうとしたが、彼女にはそれほど必要なかったので断った。
「いいね、防水性も高そうだ。」林院長は嬉しそうだった。
灰原優歌は一瞥して、非常に面子を立てて頷いた。
一同:「……」
偽物だからといって大切に扱わなくていいの??
買い物用に使うの???
突然。
川瀬主任の目に不気味な光が走り、冷笑しながら言った。「偽ブランド品の製造が違法だということを知っていますか?!」
たとえ灰原優歌が作ったわけではなくても、これだけの偽物を買っているのだから、違法販売で告発することができる。
川瀬主任は冷笑して言った。「今すぐ警察に通報して、あなたの傲慢さがどうなるか見てやる!」
そう言うと。
和田佳枝は即座に焦った。
しかし彼女が説明を始める前に、威厳のある女性の声が聞こえた。
「やぁ、川瀬礼弥、誰を逮捕させようというの??」
その声が響くや否や。
皆は野次馬を決め込むことさえできず、女魔王に捕まることを恐れた。
そして川瀬主任もその声を聞いて、笑顔が凍りついた。
安美姉さんが本当に来たの??!
「安美……」
川瀬主任がゆっくりと振り向き、安美姉さんの姿を見つけると、へつらおうとしたが、安美姉さんは灰原優歌の前に歩み寄った。
「灰原さん、申し訳ありません。こんな場所で長くお待たせしてしまって。」
その時。
皆の体が固まった。
安美姉さんの言葉はどういう意味だ??これはVIPルームじゃないか!!!
「実は、6階にも休憩室がありまして、次回曽田助手が不在の時は、私がご案内させていただきましょう。」
安美姉さんは微笑んだ。
一同:「??!」