「うん。」
柴田陸信は特に動揺を見せず、静かで穏やかに返事をして、ソファーに座った。
一方、柴田浪も後から心臓がドキドキし始め、口角が下がらなかった。
「優歌、部屋を見に行かない?」
「うん、一人で行くわ。」
灰原優歌が言い終わる前に、柴田裕也は既に彼女のスーツケースを持って階段を上がっていた。
その様子を見て、灰原優歌も何も言えず、ただ柴田裕也の後ろについて階段を上がった。
感情を必死に抑えている柴田浪は、ソファーに座って、思わず携帯を取り出し、SNSを開いて「いいね」を連打し始めた。
すると、友達から疑問の声が上がった。
【?????浪兄さん、アカウント乗っ取られた?】
【浪兄さん、なんで敵チームに「いいね」してるの??コーチがもう包丁持ってきたよ。】
【やばい浪兄さん、びっくりさせないでよ!この前女性が苦手って聞いたのに、今私の投稿に「いいね」して……[照]まさか?】