第427章 ティッキー・ジェスミン、雲城へ

「……用事?」

灰原優歌は尋ねた。

「実はね、大したことじゃないんだけど」

ドレイニーはニヤッと笑って、「半月後に私も雲城に行くことになってね。よかったら、一緒に食事でもどう?」

灰原優歌は答えた。「時間がないわ。月例テストの準備があるから」

ドレイニー:「……」

これ以上適当な言い訳があるだろうか?

「じゃあ、主神図のプロリーグの試合は見に行く?」ドレイニーは慎重に探りを入れた。

これは灰原優歌の三番目の兄の試合なのに、見に行かないのだろうか?

「時間がないわ」

灰原優歌は相変わらずの言葉を返した。

ドレイニー:「……」

柴田家の人々は灰原優歌と絶縁したのか???

「そう……」

ドレイニーは隠しきれないため息をついた。

今回の雲城訪問で、彼は灰原優歌に会いたかった。若くしてこれほどの研究能力を持つ人物は、将来きっと大物になるはずだ。