第387章 人材争奪戦

これは、常に優越感を持っていたローシェルの学術界にとって、受け入れがたい現実でした。

アルリアからどうしてこんな天才が出てきたのか!!?

そして当時。

マーカスの友人であるレイ大の学長も、マーカスにY.G.をローシェルに引き抜くよう暗示していました。

しかし、Y.G.という人物の気質は、まさに捉えどころがなく、ローシェルの好意も完全に無視していました。

「大変申し訳ありません。私の学生が分別を欠いておりました」突然、オーマル教授が立ち上がり、皆に向かって深々と頭を下げました。

オーマル教授の態度の良さに、他の人々の表情も少し和らぎました。

しかしレノは歯を食いしばり、灰原優歌を険しい目つきで睨みつけていました。

彼は初めてこのように公衆の面前で面子を潰されました。

それも、このような分際をわきまえない女に。

オーマル教授は振り向いて、灰原優歌に尋ねました。「あなたはY.G.が好きなのですか?」

灰原優歌:「……まあまあです」

隣に座っていた伊藤西紀は、つい上がってしまう口角を必死に抑えました。

「もし将来研究の道に進みたいのでしたら、私どものレイ大を考えてみませんか?」

その言葉が落ちると。

レノは急に振り向き、信じられないような、そして否定的な口調で「教授!!?」と叫びました。

お茶を飲んでいた雲大教授も、思わず噴き出しそうになりました。

雲大教授:「???」

よくも他人の大学で、他人の目の前で、こんなに厚かましく人材を引き抜こうとするものだ???

後ろの席にいたコンテスト参加の学生たちも心が沸騰しました。まさか生きているうちに、高慢なレイ大が直接人材引き抜きをするところを見られるとは!!!

「オーマル、君は正気を失ったのか?」雲大教授はオーマル教授の視線を遮り、作り笑いを浮かべました。

「高橋教授、貴校はこの学生に合格通知を出されましたか?」

オーマルは微笑みながら、背筋をピンと伸ばし、まったく恥じる様子もなく言いました。「もし出されていないのなら、今このときレイ大から出すことができます」

「???」

高橋教授は即座に拒否しました。「だめだ!夢みたいなことを言うな。考えるのもやめろ!」

二つの名門校が学生の獲得を争う様子を見て、他の学生たちはほとんど心臓が止まりそうでした。