第424章 灰原様が実家に引っ越す

上田先生の言葉が送信されるや否や、柴田裕也のメッセージが飛び込んできた。

【柴田裕也:さっき、優歌が僕にありがとうって言ってくれたんだ。】

【柴田浪:仲が良いからこそ、ありがとうなんて言わないんだよ。分かった?[ニヤリ]】

【柴田裕也:それに、お兄ちゃん~って呼んでくれたんだよ~】

その瞬間。

グループ全体が沈黙に包まれた。

ずっと見ていた上田先生も目を疑った。柴田家の妹コンプレックスがここまで進んでいたとは。

灰原優歌の「お兄ちゃん」って言葉が、金に換えられるとでも??

それを自慢するほどのことなの???

上田先生が呆れていると、グループの雰囲気はさらに悪化した。

【柴田浪:[微笑][微笑][微笑][微笑]】

【柴田裕也:[お年玉]おめでとう】

【柴田裕也:[お年玉]おめでとう】

【柴田裕也:[お年玉]おめでとう】

……

このお年玉の雨に、クラブにいた柴田浪は怒りで七竅生煙寸前だった!

やっぱりこいつ、何か企んでいたんだ!

今日は活動があって実家に帰れないと言って油断させておいて、裏で優歌に会いに行っていたなんて!!

柴田裕也以上に人でなしがいるか??!

「浪兄さん、どうかしましたか?」

隣のクラブメンバーが、おそるおそる尋ねた。

「何でもない。」

柴田浪は深く息を吸い、スマートフォンを机に叩きつけるように置いて、練習を続けた。

この様子に、周りのメンバーは困惑し、戦々恐々としていた。

小さなグループでも話題になっていた。

【メンバー1:浪兄さんどうしたんだろう?元カノが妊娠でもした??】

【メンバー2:変なこと言うな。浪兄さんは永遠の童貞だろ。元カノなんているわけないじゃん??】

【メンバー1:じゃあなんで彼女を取られたみたいな顔してるんだよ。】

【メンバー3:お前ら忘れてないか?彼女以外にも、オタクを戦士に変える生き物がいるだろ。】

【メンバー3:実の妹だよ。浪兄さんの実の妹。】

【メンバー1:!!!なるほど、この前ネットで浪兄さんの妹めっちゃ可愛かったから連絡先聞きたいって言ったら、

浪兄さんにトイレ掃除を2週間させられて、目を覚ませって言われたんだよな。】

【メンバー2:+1、実の妹だからって可愛がるとは限らないけど、仙女みたいな妹なら絶対そうだよね!!!