第413章 2階の犬の吠え声は、結構怖いね

「じ、じゃあ、私、なんとかしてみます」

佳枝は顔が妙に熱くなり、その後目を輝かせながら、灰原優歌に近寄って小声で言った。「灰原さん、私の席は2階にあるんですが、おばあさまと一緒に来ませんか?」

どうせ彼女の席は端にあって、普段は誰も気にしていない。

灰原優歌は目の前の素直な娘を見て、思わず小さく笑った。

彼女が笑うと、瞳に光が宿ったかのようだった。「ありがとう、お姉さん」

ただし。

上階に着いた時、佳枝は違和感に気付いた。

このお嬢様のおばあさま、どこかで見たことがあるような???

佳枝が考え込んでいると、階段を開けた途端、片原茉子が50代後半の堀川社長の腕を組んでいるところに出くわした。

その瞬間。

佳枝は呆然とした。

一方、片原茉子は佳枝を見るなり、表情が歪みそうになった。