第442章 渡様は柴田家の本邸に住む

「ええ、この子は私の孫娘の灰原優歌です」

柴田おじい様は誇らしげに言った。

灰原優歌は目の前の数人を見て、軽く頷いた。「はじめまして」

メンバーたち:「!!!」

まさに審美眼にぴったりの女の子で、声まで素敵だった!!

「よ、よろしく」

メンバーたちは頷きながら、やっと彼らのリーダーに彼女がいない理由と、なぜみんなが幸せそうなのかを理解した。

こんな可愛い妹がいるのに、彼女なんて必要ない!??

命を削ってでも守りたい!!!

柴田浪は自分のチームメイトたちの食い入るような視線に気付き、すぐに二人の襟首を掴んで後ろに投げ飛ばした。

「今回一番ミスが多かったくせに、よく挨拶なんてできるな?打ち上げ終わったら、二時間特訓だ」

「お前ら二人も、前回どんな大口叩いてた?十分で小島茂を引退に追い込むって?」

柴田浪は二人の頭を叩きながら言った。「一人は小島茂にやられて引退寸前、もう一人は小島茂に二回もキルされた」

みんなの前で叱られ、チームメイトたちは黙り込んでしまった。

柴田おじい様も気付いた。孫がゲームをしているとはいえ、決して不真面目なわけではないと。

むしろ、青春と熱血を感じさせた。

試合会場での歓声が、それを証明していた。

……

帰宅後。

柴田おじい様は上機嫌だった。一方、助手席に座っている柴田浪は、ずっと右手を気にするように触っていた。

灰原優歌は横目でその様子を見ていた。

しばらくして。

彼女は視線を戻し、瞳の奥に何か意味深な色が宿った。

彼女が生まれ変わったとしても、柴田家は元々の道筋から外れていないようだった。

今のところ、柴田おじい様だけが灰原優歌によって救われた。

しかし柴田浪の手の怪我、柴田裕也が未成年との恋愛疑惑でファンに顔を傷つけられたこと、そして柴田陸信とあの女性との因縁、これらの出来事はまだ起こりそうだった。

……

本邸に戻ると。

灰原優歌が入ってきた時、思いがけず久保時渡がソファに座っているのを見た。柴田陸信と左右に分かれて座り、二人とも無言の雰囲気を漂わせていた。

どうして彼が来たの?

「時渡か、やっと来てくれたな」

柴田おじい様は、まるで久保時渡が来ることを知っていたかのように言った。