階段を上がった後。
灰原優歌はメッセージを受け取った。
チャットリストを開くと、ティッキーたちが送ってきたスクリーンショットだった。
そのスクリーンショットの内容は、この間ずっと物議を醸している堀川紀明が、灰原優歌を当てこすった後、また随筆を書いたものだった。
タイトルは『資本家の玩具』。
予想通り、堀川紀明のこの悪を憎むような随筆で、非難されている主役はまた灰原優歌だった。
【ティッキー:先生、この人と何か恨みがあるんですか?】
【ジェースミン:この人本当に品がないですね。私とティッキーがネットを見たら、彼の学生が翻訳版を海外サイトに投稿してるのを見つけました。】
【ジェースミン:でも大丈夫です、私とティッキーが先生の代わりに反論してやりました。[いいね]】
灰原優歌はこれらのメッセージを見て、少し考えてから、すぐに返信した。