堀川紀明は顔を歪めながら見つめていた。
スティーブンまでもが介入してくるとは思いもよらなかった。
これらの研究所が立場を表明するのは、上層部の指示なしではありえないことだった。
そしてこの時。
金井雅守とローシェル医学研究所の発言のおかげで、先日のY.G.に関する噂は徐々に収まっていった。
結局のところ、この世界は一般人とはかけ離れており、彼らが気にすることではなかった。
しかも、今では国内のコンピューター分野のトップである金井雅守までもがY.G.の味方をしている。誰が正しくて誰が間違っているのか、もはや判断が難しい状況だった。
……
柴田家の本邸。
食事を済ませた灰原優歌は、すぐに二階へ上がっていった。
柴田浪は不思議そうに尋ねた。「最近、宿題が多いのか?」
「そうだよ。永徳の宿題の量は、お前が一番よく知ってるだろう?」柴田裕也が言った。